ハウスオーナーである旦那さんのおかげで、僕は引きこもり生活から抜け出すことができました。
参考:仕事探しがうまくいかず引きこもり…そこから脱出できた理由
旦那さんとの会話のあと、僕はずっと「いま自分ができる精一杯って何だろう??」と考えを巡らせていました。
「一番にやるべきことはやっぱり仕事探しだろうな~」
「でも今はどうしてもそれをやる気になれない・・・」
「じゃあ、いざやる気になったときにスムーズにできるよう準備をしておくのは??」
そして僕は次の日から図書館へ行き、英語の勉強をするようになったのです。
最初の一歩を踏み出すと物事はスムーズに進み出します。
最初は1人で勉強していたのが、スピーキング力向上のために語学交流会に参加するようになりました。
そしてそこで知り合った友達の紹介で、レストランのキッチンハンドとして働くことになります。
バリスタでなくとも飲食店で働く経験は積むべきだと考えていたところだったので、まさにグッドタイミングでした。
さらに週一のボランティアですが、教会に併設されているカフェでバリスタをさせてもらえることにもなったのです!!
僕はコーヒーの入れ方はもちろん紅茶の種類やお客様への接し方など、カフェで働くのに必要なあらゆることをそこで学びました。
そんな充実した毎日を送れるようになったある日のこと。
図書館でいつものように勉強していると、仲の良かった専門学校の先輩と偶然はち合わせたのです!!
久々の再会だったのでお互い嬉しくなり、場所を移して色々と話をしました。
そこで「なかなかカフェの仕事が見つからないですよ~」と自分の近況をグチったところ・・・
なんとその先輩から「じゃあ俺が働いてるカフェで働かないか??」とお誘いが!!
その先輩は韓国人で、僕と同じようにコーヒーの勉強でメルボルンに来ていました。
しかしビザが切れるのでもうすぐ母国へ帰らなければいけないとのこと。
そのためちょうど自分の代わりに働ける人を探していたようでした。
もちろん僕は二つ返事でOK!!
こうしてフタを開けてみれば、何ともあっけなく僕はカフェの仕事を見つけたのです。笑
僕が働き始めたカフェは大きなショッピングモールの角にありました。
60席ほどある大きなカフェで、週末は多くの買い物客でにぎわいます。
多くのお客様をさばくため、そこでは何より「スピード」が求められました。
そしてそれは、僕が一番苦手とするところです・・・
僕は左利きのため、普通の人よりコーヒーを作るのが遅いです。
参考:仕事探しがうまくいかず引きこもり...そこから脱出できた理由
さらに学校を卒業してからエスプレッソマシンに触れる機会が週一のボランティアしかなかったので、コーヒーを作る技術自体も衰えていました。
何とかオーダーに追いつこうと考えるほど焦りが生まれ、慣れない環境での緊張もあってかミスを連発・・・
店長に怒られる毎日でした。
そんな状況だったので、僕は1か月ほどでバリスタをクビになります。
その後、ウェイターとして2か月ちょっと働きましたが・・・
バリスタに戻れるチャンスはもうありそうになかったので、僕は自らその職場を去りました。
バリスタとして全く結果を残すことのできなかったことに、僕は絶望しました。
でも一度はカフェで働くこと自体をあきらめて、家に引きこもっていた身・・・
「あそこからよく立ち直ったな~」という満足感もどこか心の片隅にあって、なんだか複雑な気分でした。
その時点でビザの残り期間はあと2か月ちょっと。
新たなカフェの仕事を探すにはちょっと短すぎます。
「さて、これからどうしよう??」と考えたとき・・・
ふと頭に思い浮かんだのは「旅」という文字でした。
オーストラリアで出会ってきた友人の中に、「オーストラリアを旅してる途中なんだ~」という人が何人かいたのです。
それまで「バックパッカー」という言葉さえ知らなかった僕・・・
彼らの旅先での面白エピソードを聞くたび、「バックパッカーの旅」というものに大きく引き寄せられていました。
幸いにも、カフェとレストランの仕事で得たお金がいくらか手元に残っています。
「もうツラい思いはいいや・・・」
「最後ぐらい楽しんで帰ろう!!」
なかば自暴自棄のような形で、僕は旅に出ることにしました。